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【本】『直撃 本田圭佑』 木崎伸也

Numberのインタビュー記事として人気を集める本田圭佑シリーズ。2010年から続くインタビューを一冊にまとめたのが本書、木崎伸也さんの『直撃 本田圭佑』です。

 

本田の人間性を掘り下げる木崎さんの執念

本書はスポーツライターの木崎さんが、本田圭佑にインタビューをおこなうという至極当たり前の企画から始まっています。しかしそれは、次第に人間・本田圭佑とライター・木崎伸也の激しいぶつかり合いへと発展します。

 

本田圭佑が一貫しているのは、「面白くない質問には答えない」ということ。それはおなじ「プロ」という肩書を背負うスポーツライターへの、本田流のパス。そして一度答えると決めたなら、その一文字にまで神経を尖らせる徹底ぶりが、読み手の心をおおきく揺さぶります。

 

本書のスタート時、木崎さんの質問はどことなく不安げでした。しかし本田との厳しいやり取りのなかで、彼の質問も鋭さを増していきます。何度となく本田に「フラれ」ながらも、必死に食い下がるその姿は、まさに執念の一言。本田圭佑の人間性をあばくだけでなく、プロの仕事人としての歩み方も考えさせられる良書です。

 

愚直なまで、まっすぐに

本田圭佑ほど世間での印象が一人歩きするプレイヤーは少ないのではないでしょうか。相手を挑発するような過激な発言がメディアにフォーカスされ、その言葉の真意まで語られることはありません。

 

ただその言葉のすべては、彼が意図して発したもの。本田ほど言葉の持つ力を意識しているプレイヤーは他にいないのではないでしょうか。自分を追い込むため、周りを巻き込むため、敵をあざむくため。ときにはその全てを一言に込めて発している。

 

本来ならそうした姿は「策士」といったイメージが一般的ですが、本田にはそれはふさわしくない。なぜなら彼の言葉は、どこまでもまっすぐだから。

愚直と呼べるほど、真摯にまっすぐ向きあい、発言の先にある炎上を微塵も恐れない。むしろ待ってましたとばかりに飛び込んでいく。だからこそ本田圭佑は世界の人々を引きつけ、いまなお成長への歩みを止めないのでしょう。

 

本田圭佑の実像を垣間見れる、数少ない一冊です。

 

直撃 本田圭佑 (Sports Graphic Number)

直撃 本田圭佑 (Sports Graphic Number)